発電所関連 発電所関連
どうして石巻須江に建設するのですか?
A. 石巻須江地区は、海岸から離れた山林(高台)であるため、大豪雨や津波などによる水害を受けにくい立地条件を兼ね備えています。

さらに、変電所に隣接して建設できるため、送電線の被災リスクが低く、完成した発電所は分散型電源として災害時に重要な電源となる資質を有することになります。

また、わたしたちは、東日本大震災で被害を受けた石巻市の雇用や経済に少しでも貢献したいと思っています。

発電事業のみならず、発電の排熱を利用した農業や養殖漁業など、地域産業を創出することを目指しています。

G-Bio石巻須江発電所の特徴は何ですか?
A. G-Bio石巻須江発電所とそこで行われる発電事業には、いくつもの優れた特徴があります。 詳しくはこちら
地元にはどんなメリットがありますか?
A. G-Bio石巻須江発電所は、地域経済の活性化に寄与します。

具体的には、発電所の建設や保守管理においては、可能な限り地元企業への発注を優先した事業計画を作成し、事業化を推進しています。

発電所の稼働後は、発電所スタッフを地元から募集するなど、雇用の創出にも努めます。

また、発電所から発生する排熱も有効利用し、農業や養殖漁業など地域産業を創出することを目指して、排熱有効利用に興味のある地元の産業界の方々と事業化の実現に向けた協議を始めています。

さらに、FIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)による認定期間の20年はもとより、その後もG-Bio石巻須江発電所が稼働し続ける限り、地方自治体の安定的な税収と、地域経済の活性化に貢献します。

この発電所がなくても停電はしていないので電力は足りているのでは?
A. 日本では、電力需要量の約80%を石炭火力・LNG火力・石油火力の化石燃料発電で賄っています。この化石燃料の使用量を減らすことが、地球環境改善のために世界から求められています。

その化石燃料発電所も多くが老朽化した設備でフル稼働しており、突然の事故停止などが危惧されています。現時点では電力の需給に支障がなくても、全ての発電所には寿命があり、いずれ廃止や設備更新の期限が必ず訪れます。

日本の電力供給事情は、このような脆弱な状況のもとに成り立っており、何かのきっかけで電力の安定的な供給が途絶える危険性は高まりつつあります。

しかし発電所の建設には、早くても数年間を要しますので、電力需要を見越して建設する必要があります。

G-Bio石巻須江発電所の行うバイオマス発電事業は、この化石燃料発電所の役割に取って代わることができるものであり、電力の安定供給に寄与するものです。

燃料関連 燃料関連
どのような燃料を使うのですか?
A. 石巻須江発電所で用いられる発電用燃料は、FIT認証を受けた植物油です。
燃料の供給が途絶えて稼働停止しないのですか?
A. 仮に災害等で燃料の供給がストップした場合、発電所の備蓄燃料(10日分)を使って発電を継続することで、約20万世帯分の電力を供給し続けることができます。

なお、燃料が供給されなければ稼働停止になるのは、G-Bio石巻須江発電所のみならず、石炭・ガス・石油・原子力・他の木質燃料によるバイオマス発電所など、燃料を使用するすべての発電所に共通しています。

G-Bio石巻須江発電所だけが他の発電所と比較して特別に稼働停止のリスクが高いということはありません。

環境関連 環境関連
ばいじんはどの程度排出されますか?
A. G-Bio石巻須江発電所からもばいじんを含んだ排ガスが排出されますが、大気拡散して希釈された後の浮遊粒子状物質(SPM)の発電所周辺7か所の予測地点の平均値は、環境基準の対象となる日平均値の年間2%除外値において0.038mg/㎥程度です。

これは環境基準値0.1mg/㎥の40%弱と十分に低いレベルで、現況0.037mg/㎥とほぼ同等です。

窒素酸化物(NOx)はどの程度排出されますか?
A. G-Bio石巻須江発電所からも窒素酸化物(NOx)を含んだ排ガスが排出されますが、まず排出口濃度において200ppmであり、大気汚染防止法の基準値である950ppmを大幅に下回る水準です。

また、排ガスは発電所内の高さ40mの煙突から排出され、大気拡散して希釈されます。

発電所周辺7か所の予測地点の平均値は、日平均値の年間2%除外値において、現況0.013ppmに対し0.015ppm程度で、環境基準値である「0.04〜0.06ppmのゾーン以内またはそれ以下」に対し、十分に低いレベルにあります。(0.04ppmに対しては40%弱となります。)

これは依然として石巻市公称値以下であり、宮城県内でも低いレベルで、近隣の住民の皆さまの健康に影響を及ぼさない水準です。

二酸化硫黄(SO2)はどの程度排出されますか?
A. G-Bio石巻須江発電所からも二酸化硫黄(SO2)を含んだ排ガスが排出されますが、大気拡散して希釈された後の発電所周辺7か所の予測地点の平均値は、環境基準の対象となる日平均値の年間2%除外値において0.002ppm(2.0ppb)程度です。

 ※ppbはppmの1000分の1 の単位です

これは環境基準値0.04ppmの5%と十分に低いレベルで、現況0.002ppmと同じです。

二酸化炭素(CO2)はどの程度排出されますか?
A. G-Bio石巻須江発電所は、植物由来の燃料を利用するバイオマス発電で、燃焼により二酸化炭素の増減に影響を与えない「カーボンニュートラル」という概念でつくられています。
以下は、農林水産省(林野庁)Webサイトから木材のエネルギー利用についての引用ですが、植物由来の液体燃料でも同じことが言えます。

樹木等は、光合成によって大気中の二酸化炭素の吸収・固定を行っています。森林から生産される木材をエネルギーとして燃やすと二酸化炭素を発生しますが、この二酸化炭素は、樹木の伐採後に森林が更新されれば、その成長の過程で再び樹木に吸収されることになります。
このように、木材のエネルギー利用は、大気中の二酸化炭素濃度に影響を与えないというカーボンニュートラルな特性を有しています。このため、化石燃料の代わりに木材を利用することにより、二酸化炭素の排出の抑制が可能となり、地球温暖化防止に貢献します。

出典:農林水産省(林野庁)Webサイト

排ガスは発電所の周囲に滞留しないのですか?
A. 煙突から大気に放出された排ガスは、大気拡散効果により拡散希釈されますが、特殊な条件下では、周囲に滞留する可能性があることが知られています。

代表的な現象として、ダウンウォッシュ現象とダウンドラフト現象があります。

・ダウンウォッシュ現象:風速が煙突排出速度の1/1.5以上になると発生する可能性あり。
・ダウンドラフト現象:煙突の高さが建屋高さの2.5倍以下のとき、発生する可能性あり。

ダウンウォッシュ現象については、発電所計画地の過去1年間の風況実測値によれば、ダウンウォッシュ現象が出現する条件が揃うのは1年8,760時間のうち4時間程度で、年間発生確率は0.05%に過ぎません。

万が一発生した場合でも、環境基準または短期暴露指針を満足するよう施設仕様を計画します。

また、ダウンドラフト現象については、G-Bio石巻須江発電所の煙突の高さは40m、建屋の最大高さは15mですので、煙突は建屋の2.67倍の高さでありダウンドラフト現象を引き起こす2.5倍以下には当たらないため、発生しないものと予測されます。

燃料の臭いが漏れたりしないのですか?
A. G-Bio石巻須江発電所では、燃料は密閉された燃料タンク内に貯蔵されるため、燃料の臭いが外部に漏れることはありません。

また、エンジンへの供給後は、燃料の燃焼温度が高温のため、燃料の臭い成分は熱分解され、燃料に起因した臭気や刺激臭が排出ガス中に含まれることはありません。

これにより、宮城県の臭気指数基準15を遵守します。

なお、G-Bio石巻須江発電所では、液体バイオマス燃料専用に開発された国際的に多数の稼働実績のあるエンジンを使用します。

G-Bio石巻須江発電所と同じ液体バイオマス専用エンジンで稼働している国内の他の発電所において、異臭の報告事例はありません。

アンモニアの臭いが漏れたりしないのですか?
A. G-Bio石巻須江発電所では、排ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を取り除くため、脱硝装置(SCR)において尿素水を用います。

この尿素水は、常温で無色、無臭であり、安全なものです。

また、この尿素水は脱硝装置(SCR)内で噴射し、熱分解してアンモニアガスを発生させて、触媒反応させることで、NOxを無害な窒素と水に変化させます。

尿素水量の過剰噴射により、過剰なアンモニアが発生し、NOxと未反応なアンモニアガスが外部に排出されないように、尿素水の噴射量が適切に制御されます。

従ってアンモニアガスは脱硝装置(SCR)内で全て消費され、外部に漏れることはありません。

なお、G-Bio石巻須江発電所と同様のシステムを採用する国内の他のバイオマス発電所においても、脱硝装置(SCR)からアンモニア臭が漏れ出した事例は発生しておりません。

騒音や振動がひどいのではないですか?
A. G-Bio石巻発電所において、振動源として最も影響が大きいのは、10基のエンジンです。

これら10基のエンジンは全て、防振架台上に設置することで、建屋床面への振動入力を大幅に低減します。さらに堅固な基礎工事も実施します。これらは既に実績のある技術であり、発電所近傍で振動が問題となった事例はこれまでにありません。

これらの技術の導入により 、人の感覚においては揺れを感じないレベルの55dB(デシベル)以下を達成します。55dBは、振動規制法に基づく第一種区域の夜間基準値である敷地境界線上での基準値になります。

また、騒音については、建物の防音の強化および低騒音機器を採用することにより、夜間で図書館の内部と同じくらいの45dB以下を達成します。45dBは、騒音規制法に基づく第二種区域の夜間基準値である敷地境界上での基準値になります。

燃料が外部に漏れ出すことはないのですか?
A. G-Bio石巻須江発電所では、定期点検の実施により、燃料供給系を含め事故発生以前に不具合を検知して、早めの改修を行います。

また、燃料タンク周囲に防油堤を設け、万が一燃料タンクからの燃料植物油の漏れがあった場合でも、外部への流出を防止します。

煙突から黒煙が出て悪臭がすることはないのですか?
A. 他の事業者が開発した発電所では、煙突から大量の黒煙の排出や、重油による不快臭の発生が問題視された事例が見受けられます。

しかし、G-Bio石巻須江発電所では、バイオマス燃料専用に開発された国際的に多数の稼働実績があるエンジンを使用しますので、頻繁に不具合で停止して黒煙や悪臭が発生することはありません。エンジン始動直後にのみ若干の黒煙は排出されますが、すぐに燃焼が安定し、排気も無色になります。

発電所の廃止後に朽廃化で倒壊しませんか?
A. G-Bio石巻須江発電所の建屋は、新耐震基準に対応した鉄骨造で、法定耐用年数は34年です。適切なメンテナンスを行うことにより50〜60年の使用に耐えられますので、容易に朽廃化によって倒壊することはありません。

また、仮に発電所を廃止する場合でも、発電所の撤去費用は積み立ててあるため、野晒しにして放置することはありません。

燃料についても、最後まで使い果たすので、燃料が残って放置され自然発火するといったことはありません。オイルなどその他の可燃物も、撤去費用が積み立てられているので、そのまま放置され続けることはありません。